利他的な愛。
映画の中で、主人公の腕にあるタトゥーについて男が尋ねる。女の腕には、オイラーの等式とノワックの進化の方程式が彫られている。女は科学者である。彼女のお気に入りは「進化の方程式」らしい。気になったのですぐネットで調べた。
ノワックの方程式とは、おそらく生物学者のマーティンノワック氏の考えた方程式なのかと思う。こちらのサイトを見つけたので引用させていただく。
ハーバード大学の「進化ダイナミックス・プログラム(Program for Evolutionary Dynamics)」の代表、マーティン・ノワック(Martin Nowak,1965年~)教授は、進化において、新たなレベルのシステムが立ち上がるには、常に協力が必要だと主張する。遺伝子は染色体と協力し、染色体は細胞と協力し、細胞は組織や複雑な器官と協力し、器官は身体と協力し、身体は社会と協力しあっている
女は、進化の方程式について「生き物の進化に必要な要素を表している」と言っている。その方程式に、人間が毒された地球で生きていける希望を見出している。進化に必要な要素とは、淘汰圧と適応率らしい。(そういえばこないだ、恩師に相談しに行った時教えてもらった、遺伝的アルゴリズムは淘汰と変異を起こすプログラムだった。)
ノワック氏は淘汰と適応の他にさらに協力が必要だと言ってる。
科学雑誌『サイエンス』の記事でノワク博士はこう述べていた。「協力は突然変異や自然淘汰と並ぶ、第三の進化の柱だと考えている。自然淘汰と突然変異だけでは、30 億年前の細菌の世界からいまのような世界にどうしたら至るかが説明できないのだ」と。
ダーウィンの進化論を補ったものが、ノワック氏の方程式ということなのかな?進化には協力が必要なのだ。最初に引用したブログを読んでいたら分かったことなのだが、協力とは利他的な愛なのだ。自分を犠牲にして誰かを助けること。見返りを求めない愛。
私が悟りで得た「真実」は「見返りを求めない愛」こそがこの世界の全てを作っていたということだった。前回のブログにも書いた通り、不完全な人間が探しているものは、自分の中にある「美=見返りを求めない愛」。それを見つけることが「悟り」である。
ところで、私が悟ったばかりの時、急にひらめいた文章がある。これです。
昆虫と人間は同じであるということに気がついた一瞬を書き留めたものだけど、その昆虫のイメージはアリやハチだった。この文章を書いたときは気がつかなかったけど、彼らは見返りを求めない愛を持っているんだ。自分を犠牲にして種を残すということ。
この映画の主人公は、毒された地球に適応できるハチを育てることに成功し、自分の体にその抗体を打っていた。そうすれば人間はまた地球で生活することができるかもしれない、という希望を持って。
人間の欲望のせいで汚されてしまった地球。彼女以外の人間は地球を捨てて他の星へ移住してしまったけれど彼女は希望を持ち続けた。人間の可能性を信じたのだ。
そして映画終盤のとあるシーンが、また意味深い。長くなってしまいそうなので、また次回。これUOZAブログにかけばよかったかも。。。
海とか細胞とかをイメージした絵。作品づくりのリハビリをしている。
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